改めて「1on1」の形骸化防止のコツ

これまでのコラムでは、
・1on1の目的を明確にすること
・正しいやり方をまず体験してみること
・社員のスタンスを把握すること目的を明確にすること
などをお伝えしてきました。

すると最近、経営者や人事担当者の方からこんな声をいただくようになりました。

「藤野さん、正しいやり方は分かるんです。でも毎月やっていると続かないんですよ」
「毎回同じような話になってしまう」
「部下も1on1用に無理やりネタを探してきている感じがあります」
「雑談で終わるな、傾聴しろと言われても現実的じゃないです」

これは非常によく分かります。

実際、1on1が形骸化する企業には共通するパターンがあります。

■1on1が形骸化すると起きること

例えば毎回、
・最近の調子
・困っていること
・上司への要望
を確認する形式で進めていると、
やがて次のような状態になります。

・毎回話題がない
・上司ばかり話している
・進捗確認だけになる
・部下が受け身になる
・「特にありません」が続く
・行動変容につながらない

本来は部下の成長や定着のために始めたはずなのに、
いつしか「やること自体」が目的になってしまいます。

私がお勧めする考え方

そんな時に有効なのが、
「1回30分で完結させようとしない」という考え方です。

例えば月1回30分の1on1なら、
4回分をまとめて1つのセッションとして考える。

つまり、
30分×4回=2時間
を1つのまとまりとして設計するのです。

毎回テーマが違っても良い

1回目は雑談だけでも構いません。
心理的安全性が十分にできていないなら、まずは関係づくりが優先です。
2回目は上司の経験談を共有する。
3回目は部下の課題を深掘りする。
4回目で具体的な行動や目標設定を行う。

このように考えると、毎回完璧な1on1を目指す必要がなくなります。

■ 上司が話しても良い

私はよく、「傾聴にこだわり過ぎないでください」とお伝えしています。
もちろん傾聴は大切です。
しかし、心理的安全性が十分でない段階では、上司が自分の経験や失敗談を語った方が関係性が深まることもあります。
30分間ずっと上司が話す回があっても良いのです。

大切なのは、最終的に部下が自分で考えられるようになることであり、
毎回同じ型を守ることではありません。

■ それでも毎月実施する意味

ここで、「それなら最初から2時間まとめてやれば良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、それはお勧めしません。
なぜなら、部下の変化に気づくためには定期的な接点が必要だからです。
月に1回でも顔を合わせて話す。
最近の表情や言葉の変化を感じ取る。
この積み重ねが、離職防止や成長支援につながります。

■ 今日の結論

1on1が形骸化していると感じたら、
「毎回30分で成果を出そうとしていないか」を振り返ってみてください。

1回30分ではなく、
30分×4回=1つのセッション
と考えるだけで、上司も部下もずっと楽になります。

焦らず、完璧を求めず、継続する。
それが1on1を定着させる最大のポイントです。
1on1が少し形骸化し始めていると感じる方は、ぜひこの考え方を試してみてください。

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<この記事を書いた人>

株式会社AMBソリューションズ
藤野 匡生(ふじの まさお)

大学卒業後、メガバンクへ入社。産業アナリストとして小売・サービス・不動産業の分析や国際金融担当のチーフマーケットエコノミスト、経営企画部にて新会社設立準備及び経営企画に携わる。その後、不動産ベンチャー企業に入社。経営企画責任者として、2005年に東証第一部に上場を果たす。

その後、ベンチャー企業へのハンズオン投資を行う企業に入社。副社長として、 投資案件の選定・事業育成・売却に至るプロセス全般を統括。投資先であるジュエリー・ブランドのリユース・リフォーム事業を行う企業の代表取締役に就任。日本初ジュエリー・貴金属のアセットマネジメントを行う企業にリモデル。主要百貨店やSCに22店舗を構え、10万人の会員規模に成長させた。ジュエリー資産の活用の啓蒙活動にも尽力。主要経済誌等に発表した論文・講演等多数。

現在も、リユース・ジュエリー業界での企業経営経験、人材採用・育成経験を活かし、複数企業のアドバイザーとして活躍するとともに、当社の取締役として採用支援に従事している。

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