前回は、1on1の成功事例をもとに「テーマ設定の重要性」についてお伝えしました。
今回は少し視点を変えて、私自身の体験をもとにお話しします。
まずは「正しい1on1を体験してみる」
「まずは自分たち自身で、正しい1on1を体験してみよう」
そう考え、私と周囲のスタッフで、定評のある研修会社の1on1研修を実際に受けてみました。
率直な感想は、とてもシンプルです。
「やる前に一度受けるべき」
そしてもう一つ。
「正しい1on1は、百聞は一見に如かず」
どんな施策にも言えることですが、基本や型を“体験する”ことには大きな意味があります。
多くの管理職が「やり方」に悩んでいる
現場のリーダーや部課長の方々とお話ししていると、
「1on1をやるように言われたが、何を話せばいいのか分からない」
という悩みを非常によく耳にします。
しかし、よく考えてみると当然のことです。
1on1は、多くの人にとって初めて経験するマネジメント手法です。
最初からうまくできるはずがありません。
そのため、多くの方が「どうやるか(やり方)」に意識が向きがちです。
本当に重要なのは「受ける側の体験」
ここで重要になるのが視点の転換です。
1on1は、やり方を学ぶだけでは不十分です。
それ以上に大切なのは、
- 自分が率直に話せるか
- 安心して本音を出せるか
- どのような関わり方だと話しやすいか
といった“受ける側の感覚”を理解することです。
この感覚は、知識として学ぶだけでは身につきません。
実際に体験して初めて理解できるものです。

いきなり外部研修に頼らなくてもいい
とはいえ、
「いきなり研修会社に依頼するのはコスト的に難しい」
という企業様も多いと思います。
その場合は、まずは身近なところから始めることをおすすめします。
現在はWEB上にも多くの1on1の情報があります。
その中から自社に合いそうな方法を参考にし、
- 話し方を真似してみる
- 身近なメンバー同士で実践してみる
- 受けた側の感想を共有する
これだけでも、1on1の質は大きく変わります。
特に、
「どう言われたら話しやすいか」
「どこに違和感を感じたか」
といったフィードバックは、非常に価値があります。
1on1は“広げ方”で成否が決まる
もう一つ、現場でよく起きる失敗があります。
それは、いきなり全社導入しようとすることです。
1on1は、すぐに成果が見える施策ではありません。
そのため、全社一斉に導入すると、現場が疲弊し、形骸化しやすくなります。
効果的なのは、次のような進め方です。
- 一部のメンバーで試す
- 手応えや成功体験を積む
- 小さく展開する
- 成功事例をもとに一気に広げる
この“段階的な浸透”が、定着の鍵になります。
すぐに成果が出ないからこそ、続ける
1on1は、短期的な成果が見えにくい施策です。
だからこそ、
- 焦らない
- 諦めない
- 小さな成功体験を積み重ねる
この姿勢が非常に重要になります。
「やってよかった」と実感する社員が少しずつ増えていくことで、
組織全体に自然と浸透していきます。
まずは“隣のメンバー”から始める
1on1を成功させるために、特別な準備は必要ありません。
まずは、
今、隣にいるメンバーとの対話から始めてみること。
そこから得られる気づきが、
結果として組織全体のコミュニケーションを変えていきます。
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<この記事を書いた人>
株式会社AMBソリューションズ
藤野 匡生(ふじの まさお)

大学卒業後、メガバンクへ入社。産業アナリストとして小売・サービス・不動産業の分析や国際金融担当のチーフマーケットエコノミスト、経営企画部にて新会社設立準備及び経営企画に携わる。その後、不動産ベンチャー企業に入社。経営企画責任者として、2005年に東証第一部に上場を果たす。
その後、ベンチャー企業へのハンズオン投資を行う企業に入社。副社長として、 投資案件の選定・事業育成・売却に至るプロセス全般を統括。投資先であるジュエリー・ブランドのリユース・リフォーム事業を行う企業の代表取締役に就任。日本初ジュエリー・貴金属のアセットマネジメントを行う企業にリモデル。主要百貨店やSCに22店舗を構え、10万人の会員規模に成長させた。ジュエリー資産の活用の啓蒙活動にも尽力。主要経済誌等に発表した論文・講演等多数。
現在も、リユース・ジュエリー業界での企業経営経験、人材採用・育成経験を活かし、複数企業のアドバイザーとして活躍するとともに、当社の取締役として採用支援に従事している。
