リユース企業の成長戦略における人材育成・研修制度の重要性〜キャリア形成を促進する3ステップ「STEP2.個人が自分のスキルを磨く」~

キャリア開発には3つのステップがあります。 1つ目のステップは「個人のキャリアを描く」です。具体的施策として、前回「1on1」についてお話をさせていただきました。
今回は 2つ目のステップ、「個人が自分のスキルを磨く」についてです。そして、企業がそれをサポートする必要があります。具体的には、個人の描いたキャリアに沿うようなOJTを実施できる環境を用意など、人材育成・研修制度を、企業の成長戦略の柱として位置付けるということです。自社の社員のキャリア形成をよりよく支援できるよう、本記事での情報をぜひお役立てください。

■個人のキャリアを磨くには企業のサポートが必要

企業は従業員(スタッフ)のキャリア開発をサポートしていかなければいけません。スタッフにとっては、自分の描いたキャリアを実現するためには、スキルを磨いたり、様々な経験を積んだりするなど、自らの努力が必要です。
しかし、今働いている企業がそれをサポートしてくれなかったり、目先の業務が忙しくて時間的・精神的な余裕がない状況であったりすると、自ら描いたキャリアの実現は難しくなります。
こうした状況は、スタッフが企業から離れていく原因にもなりかねません。
自分でキャリアを描き、それを磨こうとしているスタッフは、優秀なスタッフである可能性が極めて高いです。
そういう優秀なスタッフの自分のキャリアを描いて、それを磨く過程をしっかりサポートすることは、企業にとってプラスになります。優秀なスタッフが育ち、希望するキャリアを実現することで、会社もそのスタッフのスキルアップに助けられ、業績が向上します。まさにWin-Winの関係になります。
「この会社ならスキルアップができそうだから、自分でキャリアアップを図って会社のためにも自分のためにも貢献しよう!」とスタッフがモチベーションを上げるような社内の人事制度をあらかじめ提示しておくことがとても大切です。

■研修の仕組みを構築することが人手不足の解消や労働生産性の向上に直結する

スタッフが個を磨くための企業側のサポートとして、一番典型的な仕組みは「研修」です。
新卒を採用している企業であれば、新卒研修をしっかり構築する、キャリア採用中心の企業であれば、階層別の研修の仕組みを導入あるいはブラッシュアップする、からのスタートになります。もちろん、実際の業務に必要なスキルを学習する業務研修やロジカルシンキングや発想法、DXといった具体的なスキルアップのためのスキルアップ研修も欠かせません。さらには、ダイバーシティやSDGs、コンプライアンスといったテーマ毎の研修もマストになってきつつあります。
そして、できれば、企業が実行している「研修プログラム」の体系や内容を全部公表するぐらいの覚悟で研修プログラムを準備し始めるということが理想です。研修体系と全体の人材育成に対する会社の姿勢を示すことになり、今の厳しい採用環境下でプラスに働きます。
特にリユース業界がまだ新しい産業であることから、スタートアップや新規参入などで、まだまだこれから組織を整えていかなければいけないというようなフェーズの企業も多いと思います。
そういった状況であれば、研修を単に個人のキャリアを磨くための環境整備とだけに位置付けると、なかなか研修の整備のプライオリティを上げにくいかもしれません。むしろ、研修を通じて企業に対するロイヤリティを高めたり、あるいはスタッフの人となりや現状のスキルを把握しながら最適配置や組織開発を考えたりする良い機会にする、といった戦略的な意図を持って研修の仕組みを作っていくということをおすすめします。

「うちは人をどんどん採用している最中だから」
「どうせ研修してもいずれ辞めていくだけだからもったいない」
「人事の体制も整ってないから、まだまだ研修って時期尚早だよ」
「研修なんてもうちょっと会社が大きくなってからやればいいんじゃない」
というようなご意見も多いかもしれませんが、考え方としてはむしろ逆です。
会社の柱となっていくようなスタッフ一人一人が描いたキャリアの実現に向けて、まず先行して企業から体制整備をする。転職の市況感や労働人口推移、業界内での競争の激化といった背景を踏まえると、もたもたしてはいられません。給与や労働時間といった労働条件だけで優秀なスタッフを引き付けるのは難しいです。労働条件だけで入社したスタッフは労働条件で去ります。そうではなく、人材育成を中心においてしっかりスタッフを育成する仕組みを作っていくべきです。例えば「年間の労働時間の5%をキャリアを育成するための研修として会社がサポートします。実務は身に着けたキャリアを活かす場として働いてください」というメッセージを打ち出せたらどうでしょう!きっと優秀なスタッフがわくわくして集まってくると思いませんか!
研修や人材育成を企業が成長する基本戦略として位置付けて、体制を早めに作っておくということが、人手不足の解消や労働生産性の向上に直結するのではないでしょうか。

■まとめ

今回はスタッフのキャリアを形成するプロセスの中で、企業としてスタッフが自分のキャリアを磨くサポートを充実させた方がよいというお話しをしました。
ではどのような研修機会を提供するのがいいのか、具体的にどのような研修プログラムが考えられるか、などについては、ぜひ個別にご相談ください。また、自社に最適な研修会社をご紹介させていただくこともできます。具体的ですぐ役に立つ情報提供もさせていただきます。
例えば、真贋やマネジメントなどについては、専門の講師を呼んで企業内で研修を行う場合もあるでしょう。研修の対象となる社員数がまだ少ない場合は、外部研修への参加やeラーニング導入、社内でポータルや社内SNSといったコミュニケーションツールの中に研修を組み込んでいくということも考えられます。
AMBソリューションズでは、現場スタッフやマネジメント層の育成、研修プログラムの構築をこれから積極化したいとお考えの企業様、キャリア形成を進めるに当たってどう進めるとよいのかお悩みの経営者さま、人事のご担当者さまに、無料でアドバイスをさせていただいています。
採用が難しい、離職が増えている、社員のエンゲージメントが下がっている、社内のマネジメントレベルを上げたい、などのお悩みをお持ちの経営者の皆さま、人事のご担当者さまは、ぜひ私どもまでお気軽にお問合せください

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<この記事を書いた人>

株式会社AMBソリューションズ
藤野 匡生(ふじの まさお)

大学卒業後、メガバンクへ入社。産業アナリストとして小売・サービス・不動産業の分析や国際金融担当のチーフマーケットエコノミスト、経営企画部にて新会社設立準備及び経営企画に携わる。
その後、不動産ベンチャー企業に入社。経営企画責任者として、2005年に東証第一部に上場を果たす。

その後、ベンチャー企業へのハンズオン投資を行う企業に入社。副社長として、 投資案件の選定・事業育成・売却に至るプロセス全般を統括。投資先であるジュエリー・ブランドのリユース・リフォーム事業を行う企業の代表取締役に就任。日本初ジュエリー・貴金属のアセットマネジメントを行う企業にリモデル。主要百貨店やSCに22店舗を構え、10万人の会員規模に成長させた。ジュエリー資産の活用の啓蒙活動にも尽力。主要経済誌等に発表した論文・講演等多数。

現在も、リユース・ジュエリー業界での企業経営経験、人材採用・育成経験を活かし、複数企業のアドバイザーとして活躍するとともに、当社の取締役として採用支援に従事している。

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